フランスのクリスマス

後編

前回はフランスにおけるクリスマス時の町の様子家の雰囲気クリスマスツリーなどについてお話ししました。まだ読んでいない方はこちらへどうぞ。↓
>>フランスのクリスマス – 前編

では、フランスのクリスマスについて続きましょう。

レヴェイヨン

レヴェイヨンとはクリスマスイブ大晦日の真夜中にとる祝いの夜食、夜通しの祝宴を意味します。深夜のミサの前、もしくは後に豪華な食事をするのが伝統です。

最近ではもっと早い時間から始めることも多いようですが、それは夜中まで続きます。
この時は祖父母両親など様々な世代の家族みんなが集まりお祝いをして楽しいひと時を過ごします。

レヴェイヨンの様子

フランスではこの伝統的な食事は、贅沢に飾られたテーブルに出されます。こんな光景は一年に一度だけですね。

贅沢に飾られたテーブル

メニューは牡蠣フォワグラブーダンブラン(鳥や豚の白い肉をベースに、パン、牛乳、脂肪などを混ぜ加熱して作るソーセージ)、七面鳥の丸焼きブッシュ・ド・ノエル(日本でもおなじみ薪の形をしたバタークリームを使ったケーキ)が並びます。もちろん家庭や地方によって色々な特徴があります。

特別な食事

ブッシュ・ド・ノエル

ブッシュ・ド・ノエルについて、ちょっとご説明いたしましょう。
かつて昔はブッシュ・ド・ノエルはケーキではありませんでした
では何だったかと言うと、それはクリスマスを祝うための単なる薪のことでした(ブッシュはフランス語で薪という意味です)。

かつてのブッシュ・ド・ノエル

長く燃えるよう硬く成長した木を選んで薪にして、家まで持ち運ぶ前に葉形の飾りやリボンをつけました。そして家長が薪に祝いを捧げた後に、家族の中で一番若い人と一番年をとっている人が一緒に油や蒸留酒で火をつけました。
今日のブッシュ・ド・ノエルはこの伝統行事の名残、象徴となっています。

ブッシュ・ド・ノエル

楽しい雰囲気の中、子供たちはサンタクロースを今か今かと待ちます。しかしサンタがやって来るのは寝ている間のため、小さい子供たちはいそいそとベッドへ向かいます。
もう少し大きい子供たちは、真夜中まで待っています。ですから家族の誰かがサンタに変装しプレゼントを配ります。まだサンタクロースを信じている子供にとっては衝撃的すぎて、泣き出してしまう子もいたりします。

フランスでのサンタクロース

サンタクロースのモデルは聖ニコラスではないかと言われています。
聖ニコラスは毎年クリスマスの時期に、飢えに苦しむ子供たちに野菜や果物をあげていたという言い伝えがあります。
そのため子供たちから大変慕われていました。

聖ニコラス

この話はヨーロッパ、とりわけオランダで有名でしたが、アメリカへ渡ったオランダ人たちがこの逸話をさらに広めました。オランダ語では「シンタークラス 」と発音しますが、この呼び方がアメリカで少しずつ変化し、今の「サンタクロース」になったと考えられています。

ちなみにフランスではサンタクロースという名前は全くと言っていいほど通じません。フランス語では「ペール・ノエル」と言います。ペールは父、ノエルはクリスマス、直訳すればクリスマスの父という意味になります。
アメリカのとある広告の影響で、サンタクロース像は変わりました。昔は緑の服を着ていたサンタクロースを、コカコーラ社が宣伝の際に赤に変えたことがきっかけでした。

聖ニコラウスから、今知られているような赤い衣装を纏い白く長いひげをたくわえて、トナカイの引くソリに乗る太ったおじいさんになったのです。こうして今皆が知っているサンタクロースは生まれました

宣伝の際に生まれたサンタクロース

サンタの住む北極では、心を入れ替え優しくなった悪魔たちが、世界の子どもたちのために一年中おもちゃ作りに励んでいるそうです。
24日、1年間お利口に過ごした子供達へプレゼントを贈るため、サンタクロースは世界中を駆け巡ります。世界中の子供に一晩でプレゼントを配るなんて、ものすごいスピード。本当に大忙しですね。

サンタクロースは世界中を駆け巡ります

フランスでもとても重要な人物です。サンタクロースに欲しいプレゼントを直接お願いできる電話番号もあるのです。

昔のサンタクロースの電話番号

また欲しいものを手紙に書いてお願いすることもできます。住所も切手も不要で、サンタクロースの名前を書くだけで届くそうです。

サンタさんのための郵便ポスト

さらにこの期間はスーパーマーケットショッピングモールでサンタクロースと記念撮影をすることもできたります。

クリスマスの深夜ミサ

24日の深夜から25日にかけての真夜中、教会に行き祈りを捧げる人も多くいます。イエスの誕生を祝い、牧師の説教に耳を傾けたり賛美歌を歌ったりします。

クリスマスの深夜ミサ

クリスマスプレゼント

レヴェイヨンの翌日、疲れ切った大人と尻目に、子供たちは起きた途端プレゼントへまっしぐらです。綺麗な包装紙もビリビリに破いて開けます。子供のためのクリスマスであっても、大人だってプレゼントし合って楽しみます

クリスマスプレゼント

25日は祭日なので、前日の疲れを癒しながら家族みんなでのんびり過ごします。
あなたはどのようにクリスマスを過ごしますか?ぜひ、フランス語学校レグザゴ ンのSNSにコメントで教えてください。

メリークリスマス!フランス語ではJoyeux Noël !(ジョワイユーノエル)

フランスのクリスマス

後編

前回はフランスにおけるクリスマス時の町の様子家の雰囲気クリスマスツリーなどについてお話ししました。まだ読んでいない方はこちらへどうぞ。↓
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では、フランスのクリスマスについて続きましょう。

レヴェイヨン

レヴェイヨンとはクリスマスイブ大晦日の真夜中にとる祝いの夜食、夜通しの祝宴を意味します。深夜のミサの前、もしくは後に豪華な食事をするのが伝統です。

最近ではもっと早い時間から始めることも多いようですが、それは夜中まで続きます。
この時は祖父母両親など様々な世代の家族みんなが集まりお祝いをして楽しいひと時を過ごします。

レヴェイヨンの様子

フランスではこの伝統的な食事は、贅沢に飾られたテーブルに出されます。こんな光景は一年に一度だけですね。

贅沢に飾られたテーブル

メニューは牡蠣フォワグラブーダンブラン(鳥や豚の白い肉をベースに、パン、牛乳、脂肪などを混ぜ加熱して作るソーセージ)、七面鳥の丸焼きブッシュ・ド・ノエル(日本でもおなじみ薪の形をしたバタークリームを使ったケーキ)が並びます。もちろん家庭や地方によって色々な特徴があります。

特別な食事

ブッシュ・ド・ノエル

ブッシュ・ド・ノエルについて、ちょっとご説明いたしましょう。
かつて昔はブッシュ・ド・ノエルはケーキではありませんでした
では何だったかと言うと、それはクリスマスを祝うための単なる薪のことでした(ブッシュはフランス語で薪という意味です)。

かつてのブッシュ・ド・ノエル

長く燃えるよう硬く成長した木を選んで薪にして、家まで持ち運ぶ前に葉形の飾りやリボンをつけました。そして家長が薪に祝いを捧げた後に、家族の中で一番若い人と一番年をとっている人が一緒に油や蒸留酒で火をつけました。
今日のブッシュ・ド・ノエルはこの伝統行事の名残、象徴となっています。

ブッシュ・ド・ノエル

楽しい雰囲気の中、子供たちはサンタクロースを今か今かと待ちます。しかしサンタがやって来るのは寝ている間のため、小さい子供たちはいそいそとベッドへ向かいます。
もう少し大きい子供たちは、真夜中まで待っています。ですから家族の誰かがサンタに変装しプレゼントを配ります。まだサンタクロースを信じている子供にとっては衝撃的すぎて、泣き出してしまう子もいたりします。

フランスでのサンタクロース

サンタクロースのモデルは聖ニコラスではないかと言われています。
聖ニコラスは毎年クリスマスの時期に、飢えに苦しむ子供たちに野菜や果物をあげていたという言い伝えがあります。
そのため子供たちから大変慕われていました。

聖ニコラス

この話はヨーロッパ、とりわけオランダで有名でしたが、アメリカへ渡ったオランダ人たちがこの逸話をさらに広めました。オランダ語では「シンタークラス 」と発音しますが、この呼び方がアメリカで少しずつ変化し、今の「サンタクロース」になったと考えられています。

ちなみにフランスではサンタクロースという名前は全くと言っていいほど通じません。フランス語では「ペール・ノエル」と言います。ペールは父、ノエルはクリスマス、直訳すればクリスマスの父という意味になります。
アメリカのとある広告の影響で、サンタクロース像は変わりました。昔は緑の服を着ていたサンタクロースを、コカコーラ社が宣伝の際に赤に変えたことがきっかけでした。

聖ニコラウスから、今知られているような赤い衣装を纏い白く長いひげをたくわえて、トナカイの引くソリに乗る太ったおじいさんになったのです。こうして今皆が知っているサンタクロースは生まれました

宣伝の際に生まれたサンタクロース

サンタの住む北極では、心を入れ替え優しくなった悪魔たちが、世界の子どもたちのために一年中おもちゃ作りに励んでいるそうです。
24日、1年間お利口に過ごした子供達へプレゼントを贈るため、サンタクロースは世界中を駆け巡ります。世界中の子供に一晩でプレゼントを配るなんて、ものすごいスピード。本当に大忙しですね。

サンタクロースは世界中を駆け巡ります

フランスでもとても重要な人物です。サンタクロースに欲しいプレゼントを直接お願いできる電話番号もあるのです。

昔のサンタクロースの電話番号

また欲しいものを手紙に書いてお願いすることもできます。住所も切手も不要で、サンタクロースの名前を書くだけで届くそうです。

サンタさんのための郵便ポスト

さらにこの期間はスーパーマーケットショッピングモールでサンタクロースと記念撮影をすることもできたります。

クリスマスの深夜ミサ

24日の深夜から25日にかけての真夜中、教会に行き祈りを捧げる人も多くいます。イエスの誕生を祝い、牧師の説教に耳を傾けたり賛美歌を歌ったりします。

クリスマスの深夜ミサ

クリスマスプレゼント

レヴェイヨンの翌日、疲れ切った大人と尻目に、子供たちは起きた途端プレゼントへまっしぐらです。綺麗な包装紙もビリビリに破いて開けます。子供のためのクリスマスであっても、大人だってプレゼントし合って楽しみます

クリスマスプレゼント

25日は祭日なので、前日の疲れを癒しながら家族みんなでのんびり過ごします。
あなたはどのようにクリスマスを過ごしますか?ぜひ、フランス語学校レグザゴ ンのSNSにコメントで教えてください。

メリークリスマス!フランス語ではJoyeux Noël !(ジョワイユーノエル)