フランスの学校

もう9月ですね。フランスでは新しい学年の始まりです
子供にとっても保護者にとっても大切な時期です。
では、今回のブログではフランスと日本の学校の違いを見てみましょう。

未就学児

まず、赤ちゃんや幼児のための託児所、保育園などがあります。
託児所はフランス語で「crèche」(クレッシュ)と言います。
クレッシュと聞くと、クレッシュ・ド・ノエルを思い浮かべる人もいるかもしれませんね。クレッシュ・ド・ノエルとは、クリスマスの時にイエス・キリストの誕生のシーンを表現した模型の飾りのことですよ。
フランスでも託児所は有料両親の収入によって保育料が決まります

フランスでも、日本同様3歳から幼稚園に入園することができます。
幼稚園はÉcole Maternelle(エコール・マテルネール)と言います。

基本的には住んでいる地域の幼稚園に入園しますが、希望すれば他の学区の幼稚園に入園することもできます。
フランスでは幼稚園が義務教育の始まりで費用はかかりません
子どもたちは幼稚園で、みんなと運動したりお絵かきをしたり遊ぶんで過ごします。

そして、こうした集団生活をとおし自分の考えの表現方法を学んでいきます。
日本で言う年長時に、アルファベット数の数え方をざっくり教わります。

小学校

6歳になると小学校に入学します。
6歳の定義ですが、入学年の1月から12月に6歳の誕生日を迎える子どもが対象です。
そうなのです。フランスと日本では学校における年度の捉え方が異なります
ちなみに、小学校はÉcole Élémentaire(エコール・エレモンテール)です。

1年生は CP (Cours Préparatoire)といいます。
この学年では、子ども達は読み書きを学びます。

2年生はCE1 (Cours Élémentaire 1)、3年生はCE2 (Cours Élémentaire 2) といいます。
Cours Élémentaireでは国語、外国語(英語)、算数、社会(歴史と地理)、美術、体育等の授業があります。

4年生はCM1 (Cours Moyen 1)、5年生はCM2 (Cours Moyen 2)といいます。
Cours Moyenでは3年生時に学んだことの続きに加え、楽器の演奏や科学の授業も加わります。

小学校では1週間に4~5日、計24時間を学校で過ごします。水曜日以外は8:30から16:30まで授業があります。もちろん途中に、休み時間やランチタイムもあります。
学校に行く日は地域によって異なります。週4日の月、火、木、金しか登校しない地域では、代わりに休みが短くなります。

5年生が修了すると中学へ進学します入学試験等はなく、自宅近くの中学に通うのが一般的です。
そうです!日本と違って、フランスの小学校は6年生がないのです

中学校

小学校を卒業するとCollège (中学校)に入ります。英語のCollege (大学)とは違いますのでご注意ください。
フランスの中学1年生は日本の小学校6年生と同じです。
中学校の期間は4年です。ですが、中学1年生は1年生ではありません。
小学生と同じように、中学生の学年の呼び方もややこしいのが特徴です

中学から高校の最終学年までは、6から0までカウントダウンしていくように言います。
中学校1年生(日本の小6)は 6 ème (sixième)(シズィエーム)と言います。
中学校2年生(日本の中1)は 5 ème (cinquième)(サンキエーム)と言います。
中学校3年生(日本の中2)は 4 ème (quatrième)(キャトリエーム)と言います。
中学校4年生(日本の中3)は 3 ème (troisième)(トロワジエーム)と言います。

中学校1年生は小学校で勉強した課題を復習して中学校の環境に適応する年です。
2年生からは小学校と同じように国語、外国語(英語)、歴史、地理、科学、数学を学びます。もちろん授業の内容は濃くなりレベルも上がります。
3年生では外国語は英語だけではなく、スペイン語やドイツ語なども勉強します。学ぶ言語は自分で選択することができます。

4年生が終わると、高校に行くための知識が十分であるか確認する試験があります。Diplôme National du Brevet (DNB), 省略としてLe Brevetといいます。

日本は中学3年生は高校受験がありますよね?
フランスでは中学校を卒業すると(多くは自宅最寄りの)高校を選び、9月になると入学します。

フランスの高校には入学試験はありません。ただしレベルの高い学校への入学を希望した場合は、志望先の高校の教師が中学卒業試験の成績をチェックします。結果が良くない場合は入学を拒否されます。成績の良い人は、人気の高校に入ることができきます。
ちなみに、パリで評判の良い学校はHenri IVです。3区のノートルダムエリアにあります。

高校

高校に行くと生徒の希望と能力に沿った将来の進路先を選びます。
Filière Générale 全般的な課程
Filière Technologique…技術課程
Filière Professionnelle…職業研修課程
という道はが分かれています。

学力に問題がなければ、原則としてFilière Généraleを選択します。
高校は Lycée (リセ)といいます。
高校1年生は 2nd (seconde) (スゴンド)と言います。
高校2年生は 1ère (première) (プルミエール)と言います。
高校3年生は Terminale (テルミナル ー 最後学年)と言います。

その選択によって卒業試験(Baccalauréat バカロレア、通称 Bac バックという試験)の点数の倍率が変わります。

例えば、経済を選択した場合、フランス語の点数は5倍、経済は9倍、英語は6倍のように倍率が決まります。
倍率をそれぞれの科目の点数かけて平均点を出します。

例:フランス語15点・経済10点、英語5点だった場合、フランス語15×5=75点、経済10×9=90点、英語5×6=30点
その後もいくつかの計算を経て(複雑なので説明は省きます笑)、最終的に20点中○点といった結果を算出します。○点以上は卒業できる、という仕組みです)

選択する科目で卒業試験の点数配分が異なるので、慎重に選ばなければなりません。
3年生は6月上旬にバカロレアを受けます
これは学生生活の中で最も大切な試験です。この試験で良い成績を修め卒業できれば、大学に進学することができます。基準の点数に満たなかった場合は、留年して翌年再受験することになります。

ちょっと変わった制度として、Redoublementがあります。Redoublementというのは留年という意味です。日本でも高校や大学では珍しくないと思いますが、フランスでは小学校でも留年することがあります。
また、小学校から高校まで制服はありません。みんな私服で通います。

バカンス

最後に学校といえば夏休みなどの長期休暇がありますね。こちらについても
ちょっとお話します。
バカンスの時期は5つあります。

Vacances de la Toussaint トゥサン休み
10月と11月の間 : 2週間

Vacances de Noël クリスマス休暇
12月と1月の間 : 2週間
ちなみにフランスでは、クリスマスは家族で過ごすとても大切な時間です。

Vacances d’hiver 冬休み
2月と3月の間 : 2週間
地域によって多少時期が異なります。

Vacances de printemps 春休み
4月と5月の間 : 2週間
地域によって多少時期が異なります。

Vacances d’été 夏休み
7月と8月 : 2ヶ月。
長いと思いきや、フランス人にとってはそうでもありません。

冬休みと春休みは特別な制度があります。地域によって多少時期がずれます。
地域は3つに分かれています。

フランス語で
Zone A : リヨン、ボルドー、ディジョンなど
Zone B : マルセイユ、ニース、ノルマンディーなど
Zone C : パリ、モンペリエ、テゥールーズなど

Bonne Rentrée !

フランスの学校

もう9月ですね。フランスでは新しい学年の始まりです
子供にとっても保護者にとっても大切な時期です。
では、今回のブログではフランスと日本の学校の違いを見てみましょう。

未就学児

まず、赤ちゃんや幼児のための託児所、保育園などがあります。
託児所はフランス語で「crèche」(クレッシュ)と言います。
クレッシュと聞くと、クレッシュ・ド・ノエルを思い浮かべる人もいるかもしれませんね。クレッシュ・ド・ノエルとは、クリスマスの時にイエス・キリストの誕生のシーンを表現した模型の飾りのことですよ。
フランスでも託児所は有料両親の収入によって保育料が決まります

フランスでも、日本同様3歳から幼稚園に入園することができます。
幼稚園はÉcole Maternelle(エコール・マテルネール)と言います。

基本的には住んでいる地域の幼稚園に入園しますが、希望すれば他の学区の幼稚園に入園することもできます。
フランスでは幼稚園が義務教育の始まりで費用はかかりません
子どもたちは幼稚園で、みんなと運動したりお絵かきをしたり遊ぶんで過ごします。

そして、こうした集団生活をとおし自分の考えの表現方法を学んでいきます。
日本で言う年長時に、アルファベット数の数え方をざっくり教わります。

小学校

6歳になると小学校に入学します。
6歳の定義ですが、入学年の1月から12月に6歳の誕生日を迎える子どもが対象です。
そうなのです。フランスと日本では学校における年度の捉え方が異なります
ちなみに、小学校はÉcole Élémentaire(エコール・エレモンテール)です。

1年生は CP (Cours Préparatoire)といいます。
この学年では、子ども達は読み書きを学びます。

2年生はCE1 (Cours Élémentaire 1)、3年生はCE2 (Cours Élémentaire 2) といいます。
Cours Élémentaireでは国語、外国語(英語)、算数、社会(歴史と地理)、美術、体育等の授業があります。

4年生はCM1 (Cours Moyen 1)、5年生はCM2 (Cours Moyen 2)といいます。
Cours Moyenでは3年生時に学んだことの続きに加え、楽器の演奏や科学の授業も加わります。

小学校では1週間に4~5日、計24時間を学校で過ごします。水曜日以外は8:30から16:30まで授業があります。もちろん途中に、休み時間やランチタイムもあります。
学校に行く日は地域によって異なります。週4日の月、火、木、金しか登校しない地域では、代わりに休みが短くなります。

5年生が修了すると中学へ進学します入学試験等はなく、自宅近くの中学に通うのが一般的です。
そうです!日本と違って、フランスの小学校は6年生がないのです

中学校

小学校を卒業するとCollège (中学校)に入ります。英語のCollege (大学)とは違いますのでご注意ください。
フランスの中学1年生は日本の小学校6年生と同じです。
中学校の期間は4年です。ですが、中学1年生は1年生ではありません。
小学生と同じように、中学生の学年の呼び方もややこしいのが特徴です

中学から高校の最終学年までは、6から0までカウントダウンしていくように言います。
中学校1年生(日本の小6)は 6 ème (sixième)(シズィエーム)と言います。
中学校2年生(日本の中1)は 5 ème (cinquième)(サンキエーム)と言います。
中学校3年生(日本の中2)は 4 ème (quatrième)(キャトリエーム)と言います。
中学校4年生(日本の中3)は 3 ème (troisième)(トロワジエーム)と言います。

中学校1年生は小学校で勉強した課題を復習して中学校の環境に適応する年です。
2年生からは小学校と同じように国語、外国語(英語)、歴史、地理、科学、数学を学びます。もちろん授業の内容は濃くなりレベルも上がります。
3年生では外国語は英語だけではなく、スペイン語やドイツ語なども勉強します。学ぶ言語は自分で選択することができます。

4年生が終わると、高校に行くための知識が十分であるか確認する試験があります。Diplôme National du Brevet (DNB), 省略としてLe Brevetといいます。

日本は中学3年生は高校受験がありますよね?
フランスでは中学校を卒業すると(多くは自宅最寄りの)高校を選び、9月になると入学します。

フランスの高校には入学試験はありません。ただしレベルの高い学校への入学を希望した場合は、志望先の高校の教師が中学卒業試験の成績をチェックします。結果が良くない場合は入学を拒否されます。成績の良い人は、人気の高校に入ることができきます。
ちなみに、パリで評判の良い学校はHenri IVです。3区のノートルダムエリアにあります。

高校

高校に行くと生徒の希望と能力に沿った将来の進路先を選びます。
Filière Générale 全般的な課程
Filière Technologique…技術課程
Filière Professionnelle…職業研修課程
という道はが分かれています。

学力に問題がなければ、原則としてFilière Généraleを選択します。
高校は Lycée (リセ)といいます。
高校1年生は 2nd (seconde) (スゴンド)と言います。
高校2年生は 1ère (première) (プルミエール)と言います。
高校3年生は Terminale (テルミナル ー 最後学年)と言います。

その選択によって卒業試験(Baccalauréat バカロレア、通称 Bac バックという試験)の点数の倍率が変わります。

例えば、経済を選択した場合、フランス語の点数は5倍、経済は9倍、英語は6倍のように倍率が決まります。
倍率をそれぞれの科目の点数かけて平均点を出します。

例:フランス語15点・経済10点、英語5点だった場合、フランス語15×5=75点、経済10×9=90点、英語5×6=30点
その後もいくつかの計算を経て(複雑なので説明は省きます笑)、最終的に20点中○点といった結果を算出します。○点以上は卒業できる、という仕組みです)

選択する科目で卒業試験の点数配分が異なるので、慎重に選ばなければなりません。
3年生は6月上旬にバカロレアを受けます
これは学生生活の中で最も大切な試験です。この試験で良い成績を修め卒業できれば、大学に進学することができます。基準の点数に満たなかった場合は、留年して翌年再受験することになります。

ちょっと変わった制度として、Redoublementがあります。Redoublementというのは留年という意味です。日本でも高校や大学では珍しくないと思いますが、フランスでは小学校でも留年することがあります。
また、小学校から高校まで制服はありません。みんな私服で通います。

バカンス

最後に学校といえば夏休みなどの長期休暇がありますね。こちらについても
ちょっとお話します。
バカンスの時期は5つあります。

Vacances de la Toussaint トゥサン休み
10月と11月の間 : 2週間

Vacances de Noël クリスマス休暇
12月と1月の間 : 2週間
ちなみにフランスでは、クリスマスは家族で過ごすとても大切な時間です。

Vacances d’hiver 冬休み
2月と3月の間 : 2週間
地域によって多少時期が異なります。

Vacances de printemps 春休み
4月と5月の間 : 2週間
地域によって多少時期が異なります。

Vacances d’été 夏休み
7月と8月 : 2ヶ月。
長いと思いきや、フランス人にとってはそうでもありません。

冬休みと春休みは特別な制度があります。地域によって多少時期がずれます。
地域は3つに分かれています。

フランス語で
Zone A : リヨン、ボルドー、ディジョンなど
Zone B : マルセイユ、ニース、ノルマンディーなど
Zone C : パリ、モンペリエ、テゥールーズなど

Bonne Rentrée !